ウイルスに打ち勝つ!免疫改善~分子整合栄養医学の観点から~

みなさん、こんにちは!

リハビリセンターきずな、理学療法士の梅尾です。

今回は、私も実践しているインフルエンザに負けない感染症対策を解説していきます。

突然ですが、私は分子整合栄養医学を基礎としたONP(Orthomolecular Nutrition Professional)という資格を保有しています。(ONPについて、興味のある方は直接たずねてください!)

つい先日、認定更新のレポートを提出したので、ここに紹介します。

レポート形式で読みづらいかと思いますので、ご興味あればお気軽にご連絡ください!

テーマ「免疫力を上げるための栄養素と食事アドバイスのポイント」

免疫力を上げるために重要なキーワードは、「粘膜機能」「適切な免疫反応」「生活習慣の最適化」だと考える。

前半は、「粘膜機能」「適切な免疫反応」をキーワードに論述を展開する。

そもそも「なぜ粘膜機能が重要なのか?」について述べる。

まず"粘膜"というのは、ウイルスや細菌などの異物を体内へ侵入させないための防壁のようなもの。

そのように外敵から守ってくれる粘膜であるが、粘膜とともに重要な役割を果たしているのが粘膜を覆っている"粘液"というネバネバした粘性物質である。

粘膜は、このネバネバした粘液によって覆われていないと、ちゃんと防壁としての機能を果たせない。

そんな重要な粘液について、概説する。

ネバネバしている粘性物資の正体は、ムチンというタンパク質の働きによるものである。

このムチンは、S-S結合という硫黄を多く含んだ構造であり、水を多く含みネバネバしている。

なにより保水力に優れており、目や鼻、口腔内の潤った場所に多く存在する。

この粘性が重要で、ウイルスや細菌だけでなく花粉すらも絡めとってくれることで粘膜への到達を防いでいる。

そして、粘液はウイルスや細菌を鼻水や涙として押し出す機能だけでなく、さらにウイルスや細菌を殺すタンパク質も有している。それは、IgA抗体というタンパク質を主成分としたウイルスと戦ってくれる抗体が担っている。このIgA抗体というのは、リンパ球というものから作り出される。その際に、アミノ酸の一種であるグルタミンやビタミンAといった栄養素が必須になる。

そして、もしウイルスなどが粘液を越え、粘膜にたどり着いたときに重要になってくるのが"粘膜細胞の強い結合力"である。

強固な防壁を築くための"粘膜細胞の結合"は、ビタミンDによって誘導された結合タンパクが重要な役割を担っている。

さらにビタミンDは、粘膜細胞の結合だけでなく、適切な"免疫反応をコントロールする役割"をビタミンAと協調して果たしてくれる。

そのビタミンAの作用を維持するために亜鉛も必須となる。

ウイルスや細菌が粘膜に到達したときに、抗菌タンパクが分泌されるが、この合成にもビタミンDが重要な役割を果たす。

ここからは、主に免疫反応について概説する。

ウイルスや細菌が体内へ侵入した際に、まず免疫反応として局所的な炎症が生じる。

風邪のひき始めで喉が痛む場合などが、その時期にあたる。

このときに非常に重要な栄養素がビタミンCである。

炎症は局所的には必要な症状であるが、ビタミンCなどが不足していると全身に炎症が波及してしまう。

関節痛や発熱へと増悪してしまうのである。

次に体内で細菌やウイルスと戦ってくれるオーレユーロペンという栄養素も非常に期待できる。

オリーブ葉エキスに含まれるもので、抗生剤のように腸内環境を乱すことなく副作用が少ないことも注目されている要因である。

妊婦なども安心して飲めるという点も、嬉しいポイントである。

以上、栄養素の観点から免疫力向上に必要な要素を述べた。

ここで、重要な栄養素を整理すると、「ムチン」「グルタミン」「ビタミンA」「ビタミンC」「ビタミンD」「亜鉛」「オリーブ葉エキス」となる。

これらの栄養素を多く含む食材を紹介する。

「ムチン」・・・納豆・めかぶなど

「グルタミン」・・・大豆・魚・卵黄など

「ビタミンA」・・・鶏卵・豚や鶏レバーなど

「ビタミンC」・・・ブロッコリー・キウイフルーツ・かぼちゃ・じゃがいも・緑茶など

「ビタミンD」・・・きのこ・魚(内臓含む)・卵黄など

「亜鉛」・・・牡蠣・牛肉・鶏卵・納豆など

「オリーブ葉エキス」・・・サプリメントなど

以上が、免疫力の向上に必要な機能や栄養素についての論述である。

ここからは、感染症対策を目的とした「生活習慣を最適化」するための工夫を述べていく。

まず、感染症対策に有効な生活習慣を概説する。

「睡眠習慣」「運動習慣」「食事習慣」を整えていくことが、重要とされている。

「睡眠」は7~8時間、「運動」は週45分以上、「食事」に関しては、前述の食材を含む献立を常食とする他、暴飲暴食やリン酸塩を多く含むファストフード類を控えることが重要とされている。

それでは、どうやって感染対策に必要な「睡眠」「運動」「食事」を最適化していくかについてだが、これらの内容は個人差があり、解説するにはあまりに膨大となるため、本稿では新しい生活習慣を獲得するための「習慣化に至る技術」に絞って解説していく。

習慣化に最も必要なことは、「初動に至る動機」と「長期(3~6か月間)に継続するための動機と自信」、「最終的な習慣の解釈」を運用していくことにあると考えている。

まず「初動に至る動機」とは、まさに習慣化させようとした事柄への情念である。報酬が自らにとってどれだけ魅力のあるものなのか。さらには、手に入れる期待値があるものなのかが重要になってくる。行動ベースに置き換えると、媒体としては会話なり、記述なりで、より具体的かつ魅力的に手に入れたいと思えるような得たい結果を想像することが重要な時期である。

次に、「継続するための"動機"と"自信"」であるが、まず動機という観点から述べる。

初動から継続期に至るまでの動機とは、習慣を習得したいという気持ちを継続させることであり、それは新しい生活習慣の習得によって「得たい結果(価値)」が自身にとって、どれだけ魅力であるを強く感じ続けることである。

よって、習慣化を実行しているときに、その苦痛を越えるほど魅力ある「得たい結果(価値)」なのかを、随時確認し続けていく必要があるということである。

ここで、自身の感じている苦痛より「得たい結果(価値)」が魅力として劣れば(苦痛>価値)、動機が薄らいでいくことになる。その場合、再び動機を惹起させるために、初動時に想像した「得たい結果」を自分自身で確認することも大切であり、さらに動機を高めるために習慣化を手伝ってくれるパートナーを用意しておくことも同じ重要となる。これは後述の自信の重要性にも繋がってくる。

次に、自信という観点から習慣化の継続について述べる。

そもそもヒトは自信なんかなくとも行動することは出来る。もちろん、生命を脅かすリスクが伴えば別だが、歯を磨いたり、テレビを見たりすることは自信が無くともできる。しかし、習慣化を獲得するうえでは自信というのは無視できない存在となる。というのは、自信を失うことで習慣化への動機を見失っていまうからである。

よって、習慣化を獲得するうえで持続的な自信があるほど良い。しかし、自信とは諸刃の剣であり、時に習慣化が中断・失敗してしまうと、自信を失ってしまうことに繋がり、習慣化獲得の阻害要因となってしまう。よって、習慣化に必要なのは諸刃の剣的な強い自信ではリスクがあるため、自信を失わないように習慣化とどのように向き合っていくかということが重要ということになる。

実際、そもそも初めから自信など無くとも好奇心をもとに行動を続けることが出来るヒトもいるため、必ず自信が必要というわけではない。しかし、好奇心が無い人であったり、神経症的傾向の強い人(メンタルが弱い人)は、自信を無くした途端に習慣化の動機よりも不安が勝ってしまうため、自信を失わないということは大事である。

そこで、どうしたら自信を失わないかということについて考えていく。習慣化の自信を無くす原因の多くは、継続出来なかったときに生じる自己統制感の欠落である。(自己嫌悪とも言える)

この自己統制感というのは、自分自身が思い通りに至らなかったときに生じるのだが、実は捉え方ひとつで様相は大きく変わる。何と言っても自己統制”感”(個人的な感覚)なのだから。。。。

そこで、必要になってくるのがパートナーだ。(もちろん、パートナーを選ぶ必要はあり、パートナー次第では習慣化の足枷になってしまう)

習慣が中断して低下した自己統制感を取り戻してくれるパートナーであれば自己統制感(自信)を損なわず立ち直ることが出来るのである。(パートナーは、習慣化について根性論でなくスキル的に優れている方が圧倒的に良い。特にCompassionを大切にしてくれるような慈悲深い人。)

とはいえ、既に習慣化のスキルを有したパートナーに恵まれることも稀である。そのため、ある程度は自分自身で習慣化に必要なスキルを身に着けてから、パートナーにはCompassionなどの伴走支援を依頼することで、無理なく習慣化に向けた行動をパートナーと共に続けることができる。習慣化に必要なスキルとは、レコーディングやチートデイ、セルフコンパッション、If‐Thenプランニングなど。

既に誠実性の高い人であれば、あえて自信を失いたくないという動機を利用して毎度パートナーに報告をする義務を自らに課せても良いだろう。

ここまでを要約すると、習慣化の獲得には、戦略的かつ戦術的に習慣化の技術を取り入れ、さらにパートナーの伴走が必要であるということである。

それでは、最終段階として苦慮せず自動的に行動を継続出来るフェーズ、完全なる習慣化に至る状態について述べていく。

先述したように、長期的に持続させるには約6か月間、パートナーのフィードバックやモニタリングや自己完結であれば相応の技術が必要となってくる。

ここで、そんな苦痛を永遠に続けたいのか?パートナーに御願いし続けるのか?ということを考えてほしい。

そもそも、習慣化によって「得たい結果」というのは、自分にとって永続的に苦しい状況では無いはず。

多くのヒトの習慣化で「得たい結果」は、少ない労力で目的の成果物を得れる状態と推測する。

実は、半年を過ぎたあたりから、自動的に習慣化への動機の源泉が分かれてくる。

一つ目は、楽しいから続ける。

二つ目は、中止することが苦痛だから続ける。

前者だと、まさに「幸せな習慣化」に成功したと思われる!

おそらく、メンタルも守られて本稿の感染症への対策にもつながるであろう。

しかし、後者の中止することが怖くて続けている場合は、どうだろう?

継続が短期的に生死を分けるようなことは別として、習慣化を脅迫的に続けることは慢性ストレス化し、長期的には疾病リスクを高め、人生の満足度も押し下げることと推察される。

何も考えずに習慣化してしまったときは、一度立ち止まって考えるべきでである。(止めれなければ、走りながらでもいい。)

もっと「得たい結果」を効率的に手に入れる方法は無いのか?と。

もっと、根本的に違う手段で得れないのか?と。

感染症対策に立ち返ってみると、たとえば食材や調理の追求に時間やお金を掛け過ぎて、本当に自分のやりたいことが出来なくなってしまったとしよう。それは、きっと後悔が大きい人生となってしまう可能性が高い。(もちろん、感染症対策が生きがいであれば良いが。。。。)

そんな場合は、感染症対策というリスクヘッジに費やした時間を見直す必要がある。

それこそ、感染対策のために時間もお金も掛かる食生活であれば、高機能で手軽なサプリメンテーションで時短化し、余裕を生み出すことも、有意義な人生を送るうえでは重要な戦略である。

長文となってしまったが、生活習慣を工夫するという道は、まさに人生をどのように歩むかということを述べるに等しい。

人生に正解が無いように、生活習慣も画一的な答えはない。

柔軟かつ開放的に、いろんな情報を見聞し、人生という実験の場を多いに楽しむことが肝要である。

食事ひとつをとってもそうである。

開放性を持って食生活を営む者と、興味なく食欲を充足するための食事をするものでは、前者の方が健康的であるという知見が得られていることからもわかるように、楽しみながら感染症対策に最適な生活習慣を獲得・習得していくことが、豊かな人生を築くためにも重要である。

以上を持って、「免疫力を上げるための栄養素と食事アドバイスのポイント」と実践するために必要な「感染症対策に必要な習慣化のスキル」の論考を終える。