【 失敗談 】 「頑張れ」の功罪 ~後編~

前編では、私の後悔の気持ちでいっぱいの失敗談を交え、「思考停止の頑張れ」は、ヒトを傷つけるということについて、お話しました。

後編である本編では、

「じゃあ、どうすればいいの?」

に対する具体的な解決策を

考察していきます。

まず、

意識せず使っている

「頑張れ」について、

言葉を使う意味や

目的とは何なのかについて

考えてみたいと思います。

あくまでも私の主観ですので、ご理解のうえ読み進めてください。

そもそも「頑張れ」という言葉の意味は、

端的に言うと

「もっと努力しなさい!」

ということだと思います。

「頑張れ」を使う側の目的としては、

「もっと努力して良くなってね」という

 ”思いやりの心” があって使っていると思います。

それでは、

「頑張れ」を言われた側の視点で

ケース別に見ていきます。

《 ココロやカラダに余裕がある人の反応 》

  • よーし、もっとがんばるぞ!
  •  励ましてくれて嬉しい!
  •  私のことをちゃんと見てくれてる!

「頑張れ」がちゃんと伝わっていますね。

《 ココロとカラダに余裕が無い人の反応 》

  • もうすでに頑張ってるけど。
  • 私の努力を見てくれてないのかな。。
  • 頑張っても、もっと頑張れと言われるだけ。。。
  • 私の努力は足りないのかな・・・

本来「頑張れ」という言葉は、

”思いやりの心” から生まれた言葉なのに、

余裕が無い人の場合は、

意欲を削がれたり、

傷ついたりすることがあります。

目的とは真逆の結果になりかねません。

では、

どうすればいいのでしょうか?

励ますうえで、

重要な要素は、

『 自己効力感 』

『 自己肯定感 』

『 自己統制感 』

を高めてあげることです。

一つずつ具体例を挙げていきます。

《 ”自己効力感” を高める声掛け例 》

「 散歩を頑張ってくれたので、歩くチカラが伸びましたね! 」

「 いつも姿勢を意識してくださっているので、立ち姿勢が綺麗になりましたね 」

などの褒め言葉です。

これまでの「自己努力」と「得た成果」を併せて褒めることが有用です。

《 ”自己肯定感” を高める声掛け例 》

「 きずなに来て運動を頑張ってくれてすごく嬉しいです。 」

「 〇〇さんの頑張ってる姿を見て皆さんが関心してますよ。」

「 いつも運動されている姿がカッコいいです! 」

「 すごく健康に意識して生活されているんですね!見習いたいです。 」

などの自己の存在価値を肯定してあげる声掛けです。

存在が肯定されていると思えば、もっと存在価値を高めようとなります。

《 ”自己統制感” を高める声掛け例 》

「 ここまで続けてこられたことをすごいと思います。 」

「 筋肉痛で辛くても来てくれてありがとうございます! 」

などの困難な状況でもセルフコントロール出来たことを承認したり感謝することです。

”努力を継続させる” ことに重要な要素を果たしてくれています。

いろいろと書き連ねましたが、

ポイントを整理したいと思います。

重要なポイントは、

未来への努力を強要しないことです。

どういうことかというと、

”頑張れ” は、

受け止め方によっては未来への努力を強要されていると感じる人もいます。

ココロとカラダに余裕が無い人にとっては、

「現在もつらいのに、これから(未来)も頑張らなくちゃならないの?」と

追い込まれることにもなります。

そこで、

「現在と過去の努力に対して承認・称賛・感謝」することをオススメします。

これは、これまで積み上げてきたものを認めることを重視することです。

現在・過去と頑張ってきた経過や成果を「承認・称賛・感謝」することで、多くの方が気持ちよく受け止めやすい声掛けとなります。

「承認・称賛・感謝」の声のかけ方ですが、

” 相手のキャラクター” に合わせて

使い分けされたらよいかと思います。

とはいえ、

無意識的に反射的に、

「頑張れ」を使ってる場合、

急に変えることは難しいものです。

まさに、私がそうでした。

もはや口癖でした(汗)

そこで、

シンプルな声掛け方法から

実践するようにしました。

「 素晴らしいです 」

「 頑張ってくれて感謝です 」

「 一緒に汗を流しましょう! 」

「 〇〇さんが頑張ってくれるおかげで、私も元気になれますっ! 」

などです。

上記の声掛けなら割と早い段階で自然と出てくるようになりました。

ぜひ、

シンプルな方法から始めて頂き、

少しずつ応用を利かせていけば、

多くの方が気持ちよく

前向きな気持になってくれる声掛けが、

身につくかと思います。

繰り返しとなりますが、

「頑張れ」という言葉は、

「もっと元気になってほしい」

という願いから出てくる

温かい言葉だと思っています。

根っことなる願いの部分は

大事にしつつ、

「頑張れ」という言葉以外で

「もっと元気になって頂く声掛け」を

模索して頂ければと思います。

”相手も”

”自分も”

気持ちよく頑張れる

言葉のバリエーションを

増やしていきましょう!!

【 まとめ 】

1:思考停止の「頑張れ」は、傷つける可能性あり。

2:自然と頑張ってもらうためには、自信が大事(自己効力感・自己肯定感・自己統制感)

3:自信をもたらす声掛けは「承認・称賛・感謝」

*承認・・・努力や成果を認めること。

*称賛・・・褒め称えること。

4:始めのうちは「感謝です」「見習います」「素敵です」「素晴らしい」など、シンプルな言葉を意識する。