【 失敗談 】 「頑張れ」の功罪 ~前編~
みなさん、こんにちは!
リハビリセンターきずな理学療法士の梅尾です。
突然ですが、
昔、「頑張れ」という言葉で、ヒトを傷つけてしまったことを思い出しました。
そこで、自分なりに反省の意も込めて「頑張れ」について考察をしましたので、解説していきます。
まずは、失敗談からお話します。
当時、
理学療法士4年目で訪問リハビリに従事していました。
脊髄小脳変性症が重度に進行した50代の女性を担当させて頂きました。
初めてお会いした時から自力で起き上がるのが困難なほど症状が進んでいました。
しかし、性格は、すごく明るい方でいろんな商売を自営されてたほどパワフルな方でした。
リハビリを開始して2ヶ月が経った頃、風邪をこじらせ軽い肺炎を患ってしまいました。
いつも冗談ばかりを言うような方でしたが、リハビリを終えた帰り際に「もう、私はダメかもねー」とネガティブな発言を漏らされました。
私はいつもの冗談だと思い、
つい「大変でしょうけど、頑張ってください」と励ましました。
しかし、
ふと顔に目をやると涙を溢され、
「頑張ってどうなるの?」
「どうせ私は治らないのよ」
と言われ、
何も言えなくなった私に
「こんなことを言ってごめんなさい」
と逆に謝られました。
そこで初めて、明るく振る舞ってくれてたのは、私に気を使ってくれてのことで、本当はすごく苦しかったんだと気付かされました。
私も彼女の気持ちを汲み取れなかったことを謝りながら不覚にも泣いてしまいました。
そんな私を見て、「私の涙につられるなんて、先生もまだまだね」と笑われて、その場を後にしました。
これが、彼女と交わした最期の言葉になりました。
肺炎が急変し、即入院。
そのまま、
帰らぬ人となりました。
もう一度、会って謝りたいという願いは叶いませんでした。
この経験から、『思考停止の頑張れ』は、深く人を傷つけてしまうことを学びました。
それからは、
「頑張れ」を押し付けないように、
気をつけていくようになりました。
それは、今もなお心がけています。
とはいえ、
「頑張れ」という言葉自体がダメだとは思っていません。
もちろん、
励ましたいときの声掛けとして大事なキーワードだとも思います。
そこで、
どうすれば利用者さんが「もっと元気になりたい!」と思えるような声掛けが出来るのか?
もっと、
心に寄り添った「頑張れ」を伝えることが出来るのか?
もっと考察したいと思い、いま記事を書き起こしています。
考察内容を後編にてお伝えしようと思います。
お読み頂く際は、答えとしてではなく、
ひとつの解釈や答えに至る過程として捉えて頂ければ幸いです。
それでは、次回後編もよろしくお願いいたします。