最新調査【負のフレイルスパイラル】高齢化日本一の地域におけるフレイル調査から判明

皆様こんにちは!

リハビリセンターきずなの代表、理学療法士の梅尾です。

さっそくですが、本日は介護予防アプローチにおいて欠かせない、フレイルハイリスク者の早期発見・対策について、令和4年に発表されたばかりの最新フレイル調査をご紹介いたします。

発表内容の概要といたしましては、身体的フレイル、うつ、孤立の頻度などから、負のフレイルスパイラルの順序性が明らかにしたというものです。(研究:東京都健康長寿医療センター)

本研究は、高齢化日本一の地域とされる群馬県甘楽郡南牧村の75歳以上の後期高齢者を対象とし、また介護認定を受けていない住民に対して調査したものです。

調査目的は、介護予防事業の方針決定に必要な情報収集であり、フレイルハイリスク者の早期発見・対策に繋げることです。

そして、調査の内容は、身体的フレイル(身体機能:握力・歩行速度など)、高齢期うつ、認知機能、社会的孤立などを評価し、総合的なフレイル状況を調べるというものでした。

研究解析の結果、身体的フレイルは社会的孤立から始まり、高齢期うつを経て低下し、そして身体的フレイル後には認知機能が低下するという順序性が判明いたしました。

下図を参照頂けると、順序性がわかりやすいかと思います。

この研究からわかるように、高齢者の孤立を解消することが一番介護予防に繋がるということです。

今回の調査は平成30年に行われたものであり、コロナ前ということになります。

コロナ禍である現状では、外出自粛・活動委縮により高齢者の社会的孤立に拍車が掛かっている状況にあるのは容易に想像できます。

我々リハビリ特化型のデイサービスに出来ることは、まずは利用を推進し、孤独にさせない(引きこもらせない)ことであり、そしてただ来所して頂くだけでは本当の意味での孤立解消に至っていないため、一人ひとり利用者さんの状況を把握できるように努め、刻々と変化する状態をしっかりとキャッチアップしていくことが大切だと思います。

その中でも、特に弊所以外に社会との繋がりの無い方は、フレイルハイリスク者と言えますので、特段の配慮を持ってアプローチを進めていきたいと思います。

文献

Archives of Gerontology and GeriatricsVolume 100, May–June 2022, 104659